石井ゆかりさんの日記から(筋トレ占いの)
カテゴリー:ヨガブログ
投稿日時:2012年9月8日

石井ゆかりさんの日記から。

毎日読んでいたりするわけではないけれど
フト、ツィッターで目に留まって読んでみたら
いいなと思う。週報含め。おすすめ。

一部を抜粋。

「貴方を許します」っていうのは

「もう貴方を責めるような言動はしないよ」という、

自分の行動についての約束なんだろう。

「許します」と決めて、そう言ったからといって

「怒り」自体がそれで消えてなくなるわけではない。

意志や宣言で感情が消えてなくなるなら

私たちはこんなに苦労はしない。

「怒り」は「恋に落ちた」と同じで、

自分の力ではどうにもならない。

それは感情だからだ。

感情は容器に閉じ込めて隠したり、

状態変化させたりすることはできても、

故意になくすことはできない気がする。

自分の力で荒ぶる激しい、奥の深い感情を「消しました」なんて

とても言えないような気がする。

心の表層でチャプチャプ波立つものを

なんとかして「切り替える」「発散する」「なだめる」ことはできるかもしれない。

でも、心の奥の方まで降りていって燃えるような激しい感情については

意志の力でコントロールできる、なんて

おこがましいんじゃないかと思う。

だからこそ

人は古来、感情を「水」にたとえたのではなかろうか。

少ない水なら、容易に御せる。

でも、多い水なら、どうだろう。

どんなに堤防を造り水路を造ってコントロールしようとしても

いつか、人間の想定を遙かに超えた力で

私たちは押し流されてしまう。

そういう光景を見ていても

「泳げれば大丈夫なんじゃないか」などと

水を軽視する人も少なくない。

水は、外から見ると、それを御するのは簡単そうにおもえる。

でも、中に入ると、とてもじゃないが抗いようがない。

少量の水は問題なくても

それが大量になった場合は

雲を遮る山、海をかき回す風、大気に電光を発する嵐となって、天地を激しく揺さぶる。

そこまでいくともう、

「人間の意志」など

どうすることもできない。

そうした激しい怒りや、怒りから来る疑いは、

年月が経つと「鎧」になってその人を守るようになる。

そこまでくるともう、怒りや疑いを手放すことは

かえって、苦痛になる。

それを手放したらもう一度ゼロから

「人は裏切るかもしれないし、裏切らないかもしれない」

という完全に無防備な状態に戻らなければならない。

全くゼロの、あかんぼうのように無防備な状態にならなければならない。

これは、怖い。

深い怒りを手放したときの突き抜けるような虚しい感じはきっと、

深く信じていたなにかに裏切られるときの感じと同じだろう。

怒りや悲しみがなければ生きていけない、っていうのは

それほど奇妙なことじゃない。

多くの宗教があんなに「怒るな」っていさめるのは、

そういいまくらなければならないほど

事実、怒ってない人が少ないからだろう。

この「怒り」は、

生涯をかけなければならないような「怒り」のことで、

決して日々流れ去っていくような「怒り」のことではない。

このあいだ、編集者のSさんが、子供の頃に読んだ格言のことを話していた。

彼女は

「怒る人は、自信のないひとだ」という格言が

ずっと忘れられずに心の中で生きている、と言った。

もっと卑俗な言い方をすれば

「金持ち喧嘩せず」みたいなことだろう。

確かに、怒ることは、弱さに由来しているのかもしれない。

真に強い者は、怒らない。

「怒らず、叱りましょう」というのは

「貴方の方が強いのだから」という意味でもあるだろう。

たとえば

完全に弱い立場におかれて、

圧倒的な強い力に打ちのめされて

その時、胸に熾った怒りというものは

人の生き方を決めてしまうこともあるのかもしれない。

もちろん

同じ目に遭わされても、違う道を選ぶ人はいる。

痛烈な経験を語りながら、そこから見事に自由になった人も見たことがある。

一方、そうではなく

怒りを心の深くに手放せないまま、

ふだんは全く問題なく、穏やかに社会生活を送っているのに

ある局面でその怒りが激発するのを

なすすべもなく見守るしかない「自分自身」を発見して呆然とする

という人もいる。

こうした人に

「怒りを手放しなさい」

なんて

少なくとも私には、とても、言えない。

むしろ

その怒りを友とすることはできないだろうか、と考える。

その怒りは既にその人の友であり、その人の心そのものなのだろう。

石井ゆかりさんのブログから。

http://d.hatena.ne.jp/iyukari/20120907/p1

もっと長くいろいろ書いて下さっているので本ブログで
また読んでみて下さいね。

小林愛ホームページ
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